4つ目は、“神経回路がたくさん残る”
成長の過程では、いったん多めにつくっておき、後に不要なところを捨てることがしばしばあります。脳神経系も8歳から10歳ごろに神経の連絡回路網を思い切り多く作っておき、使用頻度が少ないものは自然に融解してゆきます。
遊びでは、名前がつかない雑多なことや誰が見てもばかばかしい事をします。それで、「遊ぶひまがあったら勉強しろ!」などと叱られます。
一方、テニスクラブやサッカー少年団やスイミングスクールや習字や英語塾などに入ると立派なことをしているように見えるため、親御さんは安心です。いまの子どもが過ごす時間には全部名前が付いています。しかし、スポーツクラブや塾では決まった種目だけをコーチや先生に教わるため、子どもだけの遊びの代わりにはなりません。
大人も名前がない時間を持たなくなりました。定年退職後も地域のためのボランティア活動とか、蕎麦打ちとか立派なことを予定している人が多くいます。
でも、何をするでもなくぼんやりして、浮雲のように行き先を決めずに旅に出るのも充実した過し方です。人間は名前のない時間のなかで心の栄養を補給するのです。多忙な日々でも、ぼんやりする時間は大切だということを大人たちも再認識したいものです。
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