RSウイルス感染症に注意しましょう!(2017年9月26日)

RSウイルス感染症に注意しましょう!(2017年9月26日)

静岡市では、

例年より3週間も早い9月初旬より流行が始まり、先々週から来週ぐらいがピークになる見込みです。
RSウイルス感染症は、

RSウイルス(RSV)が病原体で、とくに6カ月までの乳児から2歳ごろの幼児に重い呼吸器感染症を引き起こすやっかいな病気です。母体からの移行抗体が十分ある乳児に感染を起こす理由は今のところ解明されていません。

症状は、初めての感染では1~2日の発熱、鼻汁、咳など上気道症状で始まり、日を追うごとに咳がつよくなります。1歳未満乳児の3割は激しい咳や喘鳴(ゼイゼイすること)のある細気管支炎や肺炎など下気道の感染症を起こしやすく、稀ですが突然の呼吸停止が起きることもありますので、元気があるように見えても厳重な注意が必要です。
治療は、

小児科医の指示に従いましょう。抗RSウイルス剤はないので、お子さまが居心地がいいように環境を整え優しく見守ります。ふつう10日ほどで軽快してきます。重症の場合は入院のうえ酸素投与、輸液、呼吸管理、栄養維持などの治療を行ないます。

潜伏期は2~8日ほどでふつう4~6日 。年齢別には1歳未満乳児が43%、1歳が34%、3歳以下が95%と3歳までにほとんどの幼児が罹患します。

とくべつ注意が必要なのは、

新生児や生後6カ月以内の乳児、免疫不全者およびダウン症児です。ハイリスク児には、重症化予防のためヒト化抗RSV-F蛋白単クローン抗体であるパリビズマブ筋注が認められますが、保険診療の適応は早産児、慢性肺疾患や先天性心疾患等をもつダウン症児に限定されます。

感染経路は、

患者の咳やくしゃみなどによる大きな飛沫とウイルスの付着した手指や物品等を介した接触感染が主です。家族内や集団保育施設では、感染経路が両方あるので大量のウイルス暴露により、乳幼児だけでなく年長児や保護者も気管支炎やインフルエンザ様の症状を発することがあります。


咳エチケットと接触感染対策としての石けん手洗いをふだんの習慣にしておくと、インフルエンザやノロウイルス感染性腸炎予防にもたいへん有効です。


流行期には赤ちゃんを連れて大勢が集まる場へ出席することは控えましょう。
高齢者で、慢性呼吸器疾患があったり寝たきりなどの人では、インフルエンザとほぼ同じ頻度で肺炎の合併を起こすので生命の危険もあります。


ノロウイルス感染ではトイレットの外で嘔吐することも多いので、ディスポの手袋と紙タオルで吐物を始末したのち、ハイターのような塩素系殺菌液で消毒しておくと感染伝播を減らすことができます。(吐いたらハイター!)ハイターは200~300倍に希釈しましょう。