コロナウイルスのグループに６種類が知られていましたが今回のウイルスは７種類目になります。エボラ出血熱（中央アフリカの大コウモリ数種）やSARS（サーズ、コウモリからハクビシンを仲介してヒトへ）やMERS（マーズ、中東に住むヒトコブラクダから）などのように動物がもっていたコロナウイルスが突然変異を起こして人に感染するようになります。インフルエンザも中国南西部の湖沼地帯に飛来する水鳥が起点です。今回は武漢市の海鮮市場からはじまりましたが中国各地に同じような市場があって、海鮮だけでなくあらゆる種類の生きた食用動物も売っています。そのうちコウモリまたはヘビから他の動物（ブタなど）に感染してさらにヒトへ感染するように変異したのではないかといわれます。

新型コロナウイルスは子どもへの感染が非常に少なく死亡もないのでほっとしますね。ただし理由は不明です。ヒト－ヒト感染は確実で感染力は２％ぐらいといわれます。病気の悪性度をしめす死亡率は患者の2.1％とされますが軽症の人が多数いるのでこれも正確ではありません。MERSでは感染力が非常につよかったのであっという間に３７カ国に拡散しましたが死亡率は約１０％でした。 SARSの感染力はそれ程ではなかったのですが死亡率３５％と強毒性でした。インフルエンザの死亡率は先進国で0.1%です。

まず肺炎です。つよい咳と発熱があり呼吸が苦しくなります。しかし無症状の人も多数いるため、重症者と軽症者のあいだに多彩な症状のバラエティーが存在します。治療薬ですが新型コロナウイルスには今のところ抗菌薬がありません。入院でも呼吸支援や臓器保護と輸液によって治療します。およそ１０日間がんばれば体内に充分な免疫抗体ができてウイルスが死滅するといいます。亡くなる方は５０歳以上の方が多く、罹患のまえに重い糖尿病などの疾患により免疫状態が低下している方が多いようです。今まで子どもの死亡はありません。200種以上あるウイルスのうち有効な抗菌剤があるのはインフルエンザ、水痘・ヘルペス、C 型肝炎、HIVなど少数で、RSVやふつうの感冒を起こすライノウイルスには抗菌剤はありません。

数字が毎日ふえるのでこの記事に出せませんが、日経新聞電子版にとてもきれいな「コロナウイルス感染　世界マップ」があり、世界、中国、日本ほかの各国の感染者数と死亡者数が毎日更新されています。
※コロナウィルス感染 世界マップ

ヒト－ヒト感染があるのは確実で1月２４日に中国の厚労省が確認しました。
問題は感染のしかたが接触感染と飛沫感染だけなのか、あるいはひょっとすると空気感染もあるのではないかという心配があります。
新型肺炎の封じ込め戦略でむつかしい問題は、感染者としてカウントされた人のほかに症状が軽いため医療機関に行かない人がいるが数字をつかめないことです。このような人がウイルスを放出しながら行動すると感染者が増えてしまいます。