ノロウイルスの消毒には、アルコール消毒剤は信頼できる効果がありません。
ハイターのような塩素系漂白剤を、50倍~100倍に希釈して市販の霧吹きに用意し、保育園などの施設では、トイレだけでなく、園内の20~30メートルごとに置いておくと便利です。
床に吐物がこぼれたときなどは、50倍希釈ですと強い消毒効果が期待できます。
霧吹きは、たいへん安価に買うことができます。
宮崎県日南市の病院で起きた集団感染は次のような経過をとりました。
12月12日
78歳の男性が嘔吐その後、嘔吐や下痢を主な症状とする患者が多数発生したが
ノロウイルス感染を疑わず、流行防止手段を取らず、通常の嘔吐治療をしていました。
例えば、嘔吐物を処理した人がエプロンをそのまま使い続け、そのエプロンに素手で触れることもありました。
12月14日
この男性が死亡。死因は吐いたものが誤って気管などに入ったことによる誤嚥性肺炎。
12月17日
保健所に報告
12月24日
計44人の患者発生
全員が病院2階に入院または勤務していた者で、その内わけは、
全患者数 | 死亡 | 重症 | |
入院患者 | 30名 | 6名 (78歳~88歳) |
5名 (76歳から90歳) |
介護士 | 7名 | ||
看護師 | 6名 | ||
医 師 | 1名 | ||
合 計 | 44名 | 6名 | 5名 |
改めて、感染予防のポイントは
蛇足ですが、長期間寝付いている人の特長
高齢の入院患者は全身の臓器が衰弱し、栄養摂取も十分でなく、体内または消化管に侵入した病原体に対抗する、自然免疫と獲得免疫ともにきわめて弱体化しています。
いわば、生命を維持するだけで精一杯の状態なので、嘔吐や下痢のより体内の水分と塩分のバランスが簡単に崩れてしまい、栄養摂取もさらに減ってしまいます。
この結果、病気が起きると短時間のうちに生命維持にも破綻が生じてしまいます。