ノロウィルス集団感染予防(2013/1/21)

「 吐いたらハイター 」集団感染を予防しましょう !

ノロウイルスの消毒には、アルコール消毒剤は信頼できる効果がありません。
ハイターのような塩素系漂白剤を、50倍~100倍に希釈して市販の霧吹きに用意し、保育園などの施設では、トイレだけでなく、園内の20~30メートルごとに置いておくと便利です。
床に吐物がこぼれたときなどは、50倍希釈ですと強い消毒効果が期待できます。
霧吹きは、たいへん安価に買うことができます。

病院内集団感染から学ぶ

宮崎県日南市の病院で起きた集団感染は次のような経過をとりました。

12月12日

78歳の男性が嘔吐その後、嘔吐や下痢を主な症状とする患者が多数発生したが
ノロウイルス感染を疑わず、流行防止手段を取らず、通常の嘔吐治療をしていました。
例えば、嘔吐物を処理した人がエプロンをそのまま使い続け、そのエプロンに素手で触れることもありました。

12月14日

この男性が死亡。死因は吐いたものが誤って気管などに入ったことによる誤嚥性肺炎。

12月17日

保健所に報告

12月24日

計44人の患者発生

全員が病院2階に入院または勤務していた者で、その内わけは、

  全患者数 死亡 重症
入院患者 30名 6名
(78歳~88歳)
5名
(76歳から90歳)
介護士 7名    
看護師 6名    
医 師 1名    
合 計 44名 6名 5名
       

改めて、感染予防のポイントは

  1. 帰宅後、調理の前後、食事前、トイレの後にせっけんでよく手を洗う    
  2. 食品はしっかり加熱
  3. 乾燥すると空気中に漂うので、嘔吐や便は速やかにふき取り、消毒
  4. 消毒には塩素系消毒液が有効、たとえばハイターのような家庭用塩素系漂白剤
  5. ふき取りに使った布などは直ちにゴミ袋に入れ、消毒・密閉し、廃棄

蛇足ですが、長期間寝付いている人の特長
高齢の入院患者は全身の臓器が衰弱し、栄養摂取も十分でなく、体内または消化管に侵入した病原体に対抗する、自然免疫と獲得免疫ともにきわめて弱体化しています。
いわば、生命を維持するだけで精一杯の状態なので、嘔吐や下痢のより体内の水分と塩分のバランスが簡単に崩れてしまい、栄養摂取もさらに減ってしまいます。
この結果、病気が起きると短時間のうちに生命維持にも破綻が生じてしまいます。