ノロについて
ノロウイルス感染性胃腸炎はどんな病気ですか?
- ノロウイルスは、乳幼児から高齢者までの広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こすウイルスです。
11月から3月の主に冬季に多発しますが、年間を通して患者はみられます。
ウイルスは、患者の嘔吐物や便、加熱が不十分な二枚貝(カキなど)にいる。感染力が強く、ウイルスが10個以上あれば感染するという報告もある。
- 嘔吐が激しく回数が多いのが特長で、下痢ならばウイルスはトイレで流されるため広がりにくいのですが、嘔吐はその場で清掃処理と消毒をしないとウイルスが床に残り、履物について室内に持ち込まれ、あるいは乾燥してホコリと共に空気中に舞い上がり吸い込んだ人に感染することもあります。
- 日本人の生活習慣は、感染予防にはたいへん都合がよくできています。 昔から、神に祈るときけがれを清めることが行われ、それが生活習慣になりました。清潔好きです。
欧米人は、握手したり、ハグしたり、頬への社交的なキスなど肌の接触が多いのに比べ、日本人のお辞儀は直接の接触がありません。家に入ると履物を脱ぎ、必ず手や顔を洗います。トイレ用スリッパを使います。欧米人の多くは靴のまま居間や寝室やトイレにに入ります。
日本では食べるときお箸を使い、手づかみは稀ですが、欧米ではしばしば手指を使います。民族によっては、すべての食事を手だけで食べることもあります。
- 消毒薬に対する抵抗性が強い。エンベロープ(宿主細胞の膜)を持たず、消毒用アルコールや高温に対する抵抗性が強い。ハイターなどの漂白剤を希釈して使用するのが効果的です.
乾燥や酸にも強く、水中でも長時間生存する厄介なウイルスなので、しばしば集団感染を引き起こします。手指だけでなく、食器、家具、ドアや冷蔵庫のハンドルなど感染経路にハイター希釈液を噴霧してください。
タオルや衣類などは頻回に洗濯をしましょう.
- 一度かかっても何度も感染することがあります。多数の遺伝子型が存在するため、同じ人が異なる型のウイルスに感染することがあり、また感染が腸粘膜での局所感染なので免疫の持続時間が短いことも特長です。
一度かかったと安心していると、再感染を起こすこともあります。
ノロウイルス感染症の潜伏期間と症状は?
- 潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間と短い
- 主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛で、発熱は軽度(37~38℃くらい)です
通常なら1~2日ほど続いた後、治癒します。後遺症が残ることもありません。感染しても発症しない場合や軽い風邪症状のみもあります。
しかし、免疫力の低下した老人や乳幼児では症状が長引くことがあります。
健康な人も、過労、睡眠不足、暴飲暴食などで胃液分泌が減少していると胃液の殺菌力が低下して感染することがあります。
どうやって診断する?
臨床症状だけではノロウイルス感染は特定出来ずウイルス学的な診断を行います。
患者の便や吐物を用いてノロウイルス抗原を迅速に検出するキットがありますが、社会保険が適用できるのは、3歳未満の乳幼児と65歳以上の高齢者で、そのほかの人はウイルス検査は有料です。
手洗いを励行しましょう。
感染予防のため当院が推奨する手洗い方法をこちらから紹介します。
※ノロウィルス集団感染予防についてこちらにまとめました