小児科の役割

子育て支援は小児科の大切な役割~お母様に自信と勇気を与えます~

◇子育てで悩んでいませんか?

子育てをしていると、気になることが次々に出てくるのに気軽に相談する人がいないので、雑誌や育児書から知識を取り入れるしかないですね。

例えばこんなことがありませんか。

  • 同じころ生まれた友人のベビーは体重が2㎏も多いけど、私の母乳が足りないのかしら?
  • かぜを引いたのは母(私)が注意をしなかったと夫は言うけどそうなのかな?
  • 予防接種には副作用があるらしいけれど、こんなに何回も接種して大丈夫なの?
  • 育児雑誌には、やたらに医者にかからないほうがいい、と書いてあるけれど、赤ちゃんがどんな状態のとき受診すればいいのかしら?
  • 5歳になるのにほとんど毎晩お漏らしがあるけれど、来年は入学するので心配です。

小児科医に診察を受けるのは、病気でなくてもいいのです。なんでも気になることがあるときには来てください。

子育てしているお母様がちょっと落ち込んだときに、自信と勇気を取りもどすきっかけになれば私たち小児科医はうれしいです。

感染症治療は小児科の大切な役割~感染症治療は大人も子どもも一緒です~

◇かぜは、ウイルスの感染症

いわゆる「かぜ」は、発熱、頭痛、咳、鼻汁、のどの痛み、発疹、嘔吐、下痢、腹痛、などを引き起こして、赤ちゃんや子どもだけでなくまわりの大人まで悩ませます。
これらの原因は(ご存知のように)ウイルスと病原菌ですが、かぜの7割はウイルスが原因です。病原菌によるものは少ないのですね。
ウイルスは人から人へうつってゆくので、人にうつされてかぜにかかった人は、人にもうつすのです。

あるウイルスが例えば鼻粘膜に侵入したとき感染が成立しますが、まだ数が少なく病気は起こりません。
ウイルスはあるものは迅速にほかのウイルスはゆっくりと、勢力を拡大して粘膜や周囲の組織に拡がってゆき、身体はこれを探知して免疫活動を開始します。
ウイルスとの平和共存は認めずに免疫という戦争をして根絶させようとするわけです。
いろいろのかぜ症状は、ウイルスとの戦争の結果として出てくるのです。

感染してから発病までの時間を、潜伏期といいます。


潜伏期の最短はインフルエンザウイルスで、1~3日です。長いのはおたふくかぜで、約3週間です。もっと長いエイズウイルスは感染してから発病するまで10年前後かかることもありますし、発病しないこともあります。

成長と発達チェックは小児科の大切な役割~あらゆる診療の時にチェックをしています~

◇大人と子どものちがいは何か言えますか?

子どもと大人のちがいは何でしょう?

成長と発達は大人になく子どもだけの特徴で、しかも赤ちゃんでは猛烈なスピードなので順調かどうかを節目ふしめにチェックすることはとても大切です。そのために母子手帳と乳児健診の制度が出来ました。

赤ちゃんが生まれて1歳になるまでに、体重はなんと3倍に、身長は25cm増えますね。

思春期にも身長急伸がありますがこれほどは伸びません。伸びが止まると大人になります。

体重と身長が増えるだけでなく、脳や心臓や腎臓や肝臓やそのほか目には見えませんが、身体を作るすべての部分がこれにともなって充実していきます。

生まれたばかりの赤ちゃんは、お腹がすくとよく泣くほかは何もしませんね。
4ヵ月経過するだけでもう頸がしっかりすわって、立て抱きでもぐらつきません。

そして目つきも生きいきしてまわりの人の顔を見分けます。

6~7ヵ月するとお座りするし、1年後にはつかまり立ちまでします。

このような進歩のことを「発達」といいますが、はじめの1年は一生のうちで最速で最重要な発達をします。

小児科専門医はかぜの診察のときにも、お子様の成長と発達を注意深く観察しています。