東アジアと東南アジアからわが国に持ちこまれる麻しんに注意(2014/3/20)

1月30日付厚生労働省発表によれば、東アジアと東南アジアでは麻しん患者の流行があるため、 それらの国で麻しんに感染してわが国に持ちこむ人があることに注意する必要があります。
麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって起こる病気で、空気感染、飛沫感染、接触感染によって、人から人にうつります。

その感染力はウイルスの中で最も強く、麻しんを発症している人と同じ部屋にいるだけで感染(空気感染)することがあります。

症状も感染症の中でも最も強く、しかもインフルエンザとちがい、有効な薬がありません。
免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、肺炎や脳炎・脳症などの重い合併症を起こすこともあります。

昨年12月の報告で、麻しんの患者の報告が多かった国は、中国、ラオス、フィリピンです。
確定患者数は、中国が26,360人、フィリピンが957人、ラオスが68人でした。

フィリピン
確定患者は、マニラ首都圏、カラバルソン、中部ルソンで多く報告されています。
患者の年齢層は1歳から35歳で、その29%は1歳から4歳までの小児でした。
そのうち麻しんの予防接種歴のある患者は21%のみでした。フィリピンでは患者が多く発生している地域で集中的に予防接種キャンペーンが行われています。

麻しんは薬がないため、予防接種で予防するのが唯一の対策です。
予防効果を確実にするには、2回の接種が必要です。

わが国では、1歳と小学校入学前1年間に、計2回の定期の予防接種が行われています。

海外へ渡航する前に、母子健康手帳で予防接種歴を確認しましょう。
麻しんと風疹の予防接種(MRワクチン)を受けてない人や1回しか接種していない人、またはMRワクチンを受けたかどうかがわからない人は、早めに医師に相談してください。