13.果物アレルギーと花粉症がどうして関連しているのでしょうか?
このごろ、果物を食べて異常を感じる人が増えています。
学童期から若い女性では、果物を食べると口のなかがピリピリ、イガイガする症状が多くあります。女性が果物を好んでよく食べるためもありそうです。これを口腔アレルギー症候群といいます。
乳幼児では、口のまわりが赤くなり、ときには赤みが顔全体にひろがることもあります。まれには吐き気や腹痛が起きて下痢することもあり、呼吸がぜいぜいすることもあります。これは即時型の食物アレルギーです。
上記のいずれも消化管の粘膜にアレルギー反応が起きています。
2月に入りスギ花粉症が始まっていますが、花粉症はほぼ年間を通して、いろいろな花粉によって起きるものがあり原因が花粉と気付かれないことも多いのです。花粉症は呼吸器の粘膜にアレルギーが起きます。
ところが、スギ花粉症の患者さんのなかに、生のトマトを食べると口のなかに痒みやイガイガなどをかんじる方がいます。
その原因は、スギとトマトが同じ種類の蛋白質を持っているからと考えられています。ハンノキ花粉には、PR-10という蛋白質があり、これはリンゴ、ナシ、サクランボ、モモなどのバラ科の果物や豆乳にもふくまれています。6月ごろに起きるイネ科のカモガヤ、ハルガヤの花粉に含まれるプロフィリンという蛋白質はメロンやスイカのウリ科の果物にもあります。秋のキク科のブタクサもウリ科の果物やバショウ科のバナナと共通の蛋白質を持っています。キク科でもヨモギはセリ科のセロリ、ニンジン、ウルシ科のマンゴーまた、スパイスと共通する蛋白質を持ちます。
乳幼児にはっきりした症状が出る場合はその果物は生で食べないように気をつけましょう。さいわいこの蛋白質は熱に弱いので加熱すればアレルギーを起こさなくなります。